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ノベルティ をコミュニケーションツールへ変えたマクロミルの法人ギフトをふりかえりました。

Date:2021.03.19 
Category: インタビュー

センスのいい様々なノベルティ

 

ネットリサーチ(インターネット調査)国内No.1であり、最新のデータ&テクノロジーを活用して顧客企業のマーケティングを支援するマクロミル様。長年にわたりその「企業ギフト」のお仕事を担当させていただきました。ともに歩んできたコーポレートコミュニケーション・IR本部の大石さん(2020年当時)と下瀬さんに、いままでのノベルティ制作の振り返りと今後のお話をお伺いしてきました。(以下、敬称略)
※2020年に撮影編集された記事となります
※制作事例は全てtetote三浦が株式会社takibiに在籍時のもの

 

もくじ
①ノベルティをギフトとして届けつづけたこと
②印象に残ったアイテムってなんですか?
③心に刺さる“モノづくり”をしよう
④これからの企業コミュニケーションのかたち

 

① ノベルティ をギフトとして届けつづけたこと

 

ミウラ:今日はよろしくお願いいたします。(撮影風景を見ながら)すごい量ですね、ここにあるアイテム、2013年に制作したものから並べているので、全部で8年分くらいなんですね。

 

大石:そんなに経ちますか。眺めていると色々と思い出しますね。

 

センスのいい8年分のノベルティ

8年分のアイテムが勢揃い

 

下瀬一社員としても、ノベルティの時期はいつも楽しみにしていました。今年はどんなアイテムやコンセプトなんだろうって。

 

ミウラ:毎回工夫を凝らしながらつくりあげていった記憶が走馬灯のように蘇ります(笑)。この仕事を通じて本当にたくさんの学びをいただけたので感謝ですね。今回はその辺りを振り返ることができればと思います。

 

左から tetote三浦、マクロミル大石さん、下瀬さん

左から tetote三浦、マクロミル大石さん、下瀬さん

 

ミウラ:私がマクロミルさんと一緒にお仕事をするようになったきっかけは、2013年にコーポレートアイデンティティ(以下、CI)を刷新されたタイミングでしたよね。スローガンがInnovation or Nothing へとリニューアルしたタイミングです。それまでもずっと工夫を凝らしたノベルティを制作していましたが、この時も創業者の杉本哲哉さん(現:株式会社グライダーアソシエイツ 代表取締役社長)と、CI刷新にあたって何かノベルティをつくろう、という話になりましたね。

 

センスのいいCI刷新にあたり制作したブルーのイノベーショントランプ

CI刷新にあたり制作したイノベーショントランプ

 

ミウラ:最初は普通のかっこいいトランプを提案したんですね。ただ杉本さんが、うーんと悩まれて。「これさ、もっと面白くできるよね」と。で、杉本さんの考案で新しいコーポレートロゴを使って、トランプの4つの柄を5つに増やしたんです。つまり、トランプは4種52枚から5種65枚になりました。私個人として、企画というのはこういうものか!と衝撃を受けた体験でもありました。

 

センスのいい新しいコーポレートロゴを“トランプの柄”

新しいコーポレートロゴを“トランプの柄”の一つにするアイデア

 

大石:懐かしいですね。お届けしたお客様に向けて5種類のトランプを使った遊び方を考案してもらう、という双方向の企画にも挑戦しましたね。実際に応募も集まって、最終的には優秀賞の方を表彰したり。

 

下瀬当時私は人事部で採用を担当していたのですが、学生にプレゼントしたらすごく喜ばれた記憶があります。

 

ミウラ:マクロミルさんは、CI刷新前にも毎年ノベルティをつくられていましたが、リニューアル後から企画として本格的になっていったと思います。後ほどアイテムも振り返っていきますが、一つ、私が気になったことをお聞きしたいんですね。ノベルティ制作がなぜここまで長く続いたのか?ということです。もちろん一生懸命、良いものをつくってきた自負はあるのですが、社内でどう捉えられていたのかなと。

 

tetote三浦と大石さん

 

ミウラ:いまは、デジタルマーケティング全盛ですぐに結果を可視化できることが前提となり、広告の成果基準がガラッと変わったように感じています。数字には表れづらい、アナログコミュニケーションの価値を伝えることがますます難しくなってきているのではないかと。「これって意味あるの?」と経営陣が思ったら終わりです。なので、マクロミルさんが社内でどのように継続されてきたのかを純粋に知りたくて。

 

大石:そうですね、このノベルティをマーケティング視点で見ると、ドアノックツールや休眠顧客の掘り起こし、キーパーソンへのアプローチなどの効果がありました。無理矢理、KPIの数値に落とし込む試算をしたこともありましたが、最後の売り上げへの貢献がどこまであるのかは結局のところ追いきれないんですよね。

 
 

マクロミル大石さん

 
 
大石:だから私としては、費用対効果を突き詰めると言うよりも、ブランディングとしての側面を常に伝えてきました。例えば、デジタルの媒体や、通常どの企業も行っているマーケティング活動の中では、自社のビジョンや想いをストレートに伝える手段って実はあまりないですよね。その点、ノベルティでは、そうした企業やブランドにとっての根幹となるメッセージをストレートに伝えていくことができますし、そういう意味で企業のブランディングやマーケティングにおいて希少なツールであり、重要な手段のひとつなのではないかと考えています。
 
 
ミウラ:確かに、例えばデジタルにおいては反応ファーストになりがちですから、どうしても刺激的なアプローチになってしまいますよね。ブランディングを意識した長期的な発信をする場は案外ないかもしれません。

 

大石:ブランディングの視点で言うと、ビジネスの未来をお客様と一緒に創る、パートナーとしてとことん寄り添う、といった想いやメッセージをノベルティに込めてきました。これらはマクロミルの経営陣にも社員一人ひとりにもある想いですから、これを伝え続けていくことの価値は社内の上層部にも理解してもらいやすかったと思います。

 

 

センスのいい宇宙食のノベルティ

2019年のテーマは宇宙食。「平成」が終わり、新しい元号へ切り替わる節目のタイミングでもあり、「未来」に向かってお客様のビジネスをより前進させる存在となりたいというメッセージを込めました。

 

下瀬お客様の間でも、「マクロミルは何か面白いノベルティを持ってきてくれる会社」というブランディングが浸透しています。継続することでイメージが定着しましたね。

 

マクロミル下瀬さん(女性)

 

大石:あとは現場の営業チームが支持してくれたことが大きかったです。「お客様とのコミュニケーションをどう良好にしていくか」を日々考えるセールスパーソンたちの武器になっていたので、マーケティング的な価値も十分あると考えています。そこも経営層にも受け入れてもらえる要因だったかなと。

 

ミウラ:マクロミルさんのノベルティは年に1~2回、セールスパーソンが直接手渡したり、お客様へ発送したりするものでした。お客様との重要なコミュニケーション接点のひとつになっていたと。

 

大石:はい。お客様とマクロミルとのお付き合いの歴史の中で、ノベルティが重要な役割を果たしているんですよね。例えば営業が代わるケースがあり、人に依存しがちなBtoB営業だと、ゼロから関係性を構築しないといけませんが、ノベルティが届き続けることで関係が途切れず、緩やかに繋がっている感覚もあるのかなと。

 

ミウラ:そうか、営業担当個人との関係性が例え途切れても、それを補ってくれるようなツールになり得たと。会社の顔としても機能してくれる、それは面白い視点です。

 

下瀬ノベルティの時期が近づくと、お客様の方から「次は何をもらえるんですか?」「少し多めにもらえない?」というコミュニケーションが、営業に寄せられることもあるそうなんです。

 

ミウラ:いや、それはすごい。お客様から先にですか(笑)。ここまでマクロミルさんとの歴史を振り返ってきましたが、実は今までつくってきたものってノベルティじゃないのでは?と思っているんです。このレベルに達するとギフトなのではないかと。企業ギフトというか。

 

下瀬あ、ギフトと言う表現はいいですね。イメージに近いかも。

 

左から tetote三浦、マクロミル大石さん、下瀬さん

 

ミウラ:ノベルティと言うと100円、200円の“おまけ”のイメージがどうしてもついてしまいますよね。このwebサイトのタイトルは「マーケギフト」としていますが、マクロミルさんとの仕事がノベルティの範疇を超えて、マーケティングにおける一つの新しいツールになり得るのではないか?そう感じたのが、私の取り組みのきっかけでもあります。

 

(次ページは「印象に残ったアイテム」を伺います!)

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